皆さん『歯磨きの目的は？』
『そりゃ虫歯や歯周病にならない為に決まっているじゃないか』
と多くの皆さんがおっしゃることと思います。
実はその答え、意識改革が必要です！『全身の健康維持のため』が正しい答えです。

人生100年時代、今からでも遅くはありません。
誰もが一生を共にするのに、意外と知らない『お口の正しい知識』を知って頂くことで、皆様の『健康長寿』のお役に立てればとしばらく筆を取らせて頂きます。

歯は健康の源

昔から『歯は健康の源』と言われて来ました。これはしっかり噛んで食事が出来ると栄養状態が良くなるからで、この事は様々な公衆衛生学的データの分析研究からも明らかになっています。
ところが現在では更に研究が進み、何と、命に関わる重大な全身疾患とお口の病気との直接的な関係が続々と明らかになっています。

中でも、最も研究が進んでいるのは歯周病と糖尿病の関係です。

ご存知の通り糖尿病は血糖値をコントロールするホルモン、インスリンの働きが悪くなり、神経障害や失明、腎障害などの重篤な合併症をもたらす命に関わる疾患で、成人の6人に1人が罹患していると言われる疾患です。
この糖尿病、何と『糖尿病があると歯周病に2倍かかりやすい』『歯周病の治療をすると血糖値のコントロールが改善される』という病気間の相互関係が明らかになり、医科歯科連携の治療が成果を上げています。

一方虫歯菌についても昨年、何とも恐ろしい研究結果が発表されました。
国立循環器病研究センターの最新研究で、虫歯の原因となるミュータンス菌の一部が、脳卒中の原因になる脳内微小出血に関与していることが判明し、口腔内にこの細菌を保有している方はそうでない方に比べ、微小脳出血の出現が4.7倍高いことが判明しています。
何と虫歯菌が脳の血管を破壊しているのです。

いかがでしょう？『歯を磨くことと全身の健康の関係』おわかりいただけましたか？
次回は先づ『歯周病』について、どのような病気なのか、他にはどんな病気との関わりがあるのかにつてお話させていただきます。
高齢化に伴い社会問題にもなっている、誰がなってももおかしくない『あの病気』との関係についても最新の情報をもとにお話させていただきます。