インプラントの寿命を縮めてしまう原因と、インプラントがダメになってしまった場合の対策について
2025/03/20

こんにちは。東京(外苑前)の自由診療専門歯科医院、サウラデンタルクリニック青山です。
インプラント治療を受けられる患者さまから、「インプラントってどのくらい持つの?」「もしダメになったらどうすればいいの?」といったご質問をよくいただきます。
これは、インプラント治療に興味を持つ方にとって非常に重要な疑問です。
結論から申し上げますと、インプラントの寿命は正しいメンテナンスを行うことで大幅に延ばすことが可能です。
統計によれば、インプラントの10年後の残存率は90%以上というデータがありますが、適切なケアを続けることで30年以上使用できる場合も少なくありません。
ただし、いくつかの要因によってインプラントの寿命が短くなることがあります。
この記事では、インプラントの寿命を縮める原因と、万が一インプラントがダメになった場合の対応について詳しく解説します。
インプラントの寿命を縮めてしまう原因
インプラント治療は高い成功率を誇る治療法ですが、その寿命を短くしてしまう要因もいくつか存在します。
以下に、具体的な原因とその影響について詳しく説明します。
1. インプラント周囲炎

インプラントの寿命を縮める最も大きな原因の一つがインプラント周囲炎です。
この病気は、インプラントの周囲に細菌が繁殖し、歯肉や骨に炎症を引き起こすものです。
進行すると、インプラントを支える骨が溶けてしまい、最終的にはインプラントの脱落につながる可能性があります。
発症原因
主な原因は、不十分な口腔ケアによるプラークの蓄積です。
また、喫煙や糖尿病などの全身疾患も発症リスクを高める要因となります。
経年劣化とチタンの影響
チタン製インプラントでは、長期間使用すると表面の金属が腐食し、二酸化チタンに変化することが知られています。
この変化が周囲組織に炎症を引き起こす原因となることがあります。
2. インプラントの破損

インプラント本体やその上部構造(クラウン部分)の破損も寿命を短くする原因です。
特に次のような要因で破損が発生します。
過剰な咬合力
噛み合わせが強すぎる場合、インプラントに過度な力がかかり、破損や不具合を引き起こします。
特に奥歯のインプラントは強い咬合力を受けやすく、注意が必要です。
不適切な使用
硬いもの(氷やナッツの殻など)を頻繁に噛む習慣がある場合、インプラントやクラウンに亀裂や破損が生じる可能性が高まります。
3. メンテナンス不足

インプラント治療後のメンテナンスを怠ることは、寿命を短くする直接的な要因です。
定期検診の欠如
定期的な歯科検診を受けない場合、インプラント周囲炎などのトラブルを早期発見する機会を逃してしまいます。
これにより、症状が悪化するまで気づかないことがあります。
不適切な口腔ケア
天然歯と同じように、インプラントも日常的な清掃が必要です。
特にインプラント周囲の歯肉ポケット内を適切に清掃しないと、細菌の繁殖が進みます。
4. 喫煙習慣

喫煙はインプラントに悪影響を及ぼす大きな要因です。
血流の低下
喫煙により血流が悪化すると、インプラント周囲組織の治癒が遅れ、炎症のリスクが高まります。
感染リスクの増加
喫煙者は非喫煙者に比べて、インプラント周囲炎を発症する確率が高いことが研究で明らかになっています。
5. 全身疾患の影響

糖尿病や骨粗鬆症といった全身疾患は、インプラントの寿命に影響を与えることがあります。
糖尿病
血糖値が高いと感染リスクが高まり、インプラント周囲炎が進行しやすくなります。
また、治癒能力の低下によりトラブルからの回復が遅れます。
骨粗鬆症
骨密度が低下している場合、インプラントを支える骨の安定性が損なわれる可能性があります。
6. その他の要因

夜間の歯ぎしり(ブラキシズム)
無意識に強い力で歯をすり合わせる習慣は、インプラントに過度な負担をかけ、寿命を縮める原因となります。
ストレス
ストレスが強いと、免疫力が低下し、炎症や感染のリスクが高まる可能性があります。
インプラントがダメになってしまった場合の対策
万が一、インプラントが寿命を迎えてしまった場合でも、ご安心ください。
当院では以下のような対策を行っています。
1. インプラントの撤去と再設置

インプラントが機能を果たせなくなった場合、まず撤去が必要です。
撤去後の対応は、患者さまの骨や歯肉の状態によって異なります。
骨の回復期間
骨の状態が健全であれば、比較的短期間で再インプラント治療が可能です。
しかし、骨が吸収されている場合には、再設置の前に骨再生療法(GBR法やサイナスリフト)が必要です。
迅速な再設置のための計画
当院ではCT診断とシミュレーションソフトを用いて、再インプラント治療が最適なタイミングで実施できるよう計画を立てます。
2. 骨再生療法の実施

インプラント周囲の骨が吸収されている場合、骨再生療法を行うことで再度インプラントが可能な環境を整えます。
以下の方法を用います。
GBR法(骨誘導再生療法)
骨が不足している部分に人工骨や自家骨を移植し、骨を再生させる治療法です。
サイナスリフト
上顎の奥歯部分にインプラントを設置する際に、骨が不足している場合に行う治療です。
3. 他の治療法の選択
再度のインプラント治療が難しい場合、他の治療法をご提案します。
ブリッジ: 周囲の歯を支えに人工歯を作る治療法。
部分義歯: 取り外し可能な義歯で機能を補う治療法。
4. 早期治療の重要性

インプラントがダメになりかけている兆候を早期に発見することで、大規模な処置を回避できる可能性があります。
当院では患者さまが違和感を感じた場合にすぐに対応できる体制を整えています。
当院での取り組み
1. ジルコニアインプラントの採用

当院では、インプラント周囲炎のリスクを軽減し、患者さまのインプラントが長く健康であるように、ジルコニアインプラントを採用しています。
ジルコニアは金属を含まないセラミック素材で、次のような特長があります。
優れた生体適合性
金属アレルギーの心配がなく、口腔内で炎症を引き起こしにくい特性を持っています。
腐食しない素材
チタンインプラントのような金属腐食のリスクがなく、長期間にわたり安定した状態を維持します。
審美性の向上
自然な歯に近い色合いで、特に前歯部で高い審美性を実現します。
さらに、ジルコニアインプラントは細菌の付着が少なく、インプラント周囲炎のリスクを低減することができるため、長期的な成功率が期待できます。
2. 高度な診断と治療

当院では、CTスキャンを使用した精密な診断とシミュレーションソフトを活用し、インプラント治療の計画を立てています。
また、治療時間を短縮し、患者さまの負担を最小限に抑えるための手術技術を採用しています。
3. 専門的なアフターケア

治療後もインプラントを健康に保つための専門的なアフターケアを提供しています。
インプラント周囲の清掃方法の指導や、必要に応じた追加治療を通じて、患者さまのインプラントを長持ちさせるサポートをしています。
まとめ

インプラントは正しいケアを続けることで、10年、20年、さらには30年以上使用することが可能です。
当院では、患者さまのインプラントを長く健康に保つための最新技術と、きめ細やかなアフターケアを提供しています。
もしインプラント治療についてご不安やご質問がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
患者さま一人ひとりに寄り添い、最適な治療とサポートをご提供いたします。
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