根管治療の痛みは治療の失敗?原因と対策について
2024/11/20
こんにちは。東京(外苑前)の自由診療専門歯科医院、サウラデンタルクリニックです。
「根管治療をしたのに、歯がズキズキ痛む」
「治療前より、余計に痛くなった気がする」
根管治療後の痛みについて、上記のようなご質問を受けることがあります。
痛みをとるために治療してもらったのに、痛みが取れていなかったり余計に痛みが増していたら、治療が失敗だったのではないかと不安を感じてしまいますよね。
ですが実際、根管治療後に軽い痛みや違和感が生じることは珍しくはなく、そのほとんどは一時的なもので、適切な対処で改善することが多いです。
ただし、中には根管治療が上手くいっておらず、治療のやり直しが必要となるケースもあります。
ここでは、根管治療後に生じる痛みの原因やその対処法について、専門的な知識も交えながらご説明します。
根管治療後に発生する痛みの原因
治療中に生じる微細な炎症反応
根管治療では、歯の内部の感染した組織を徹底的に取り除くため、歯の奥深くまで細かい器具を使って根管内を清掃します。
この清掃過程で、周囲の組織に微細な刺激が加わるため、治療後に痛みや鈍い違和感が生じることがあります。
治療中の微小な炎症反応は、体の自然な反応で、数日から1週間程度で治まることがほとんどです。
根尖(歯の根の先端)への薬剤刺激
根管内の感染を除去するために、消毒液や薬剤を使用します。
これらの薬剤が歯根の先端にある周囲の組織にわずかに浸透した場合、炎症が生じやすくなり、治療後の痛みを引き起こすことがあります。
この痛みも多くの場合は軽度で、時間とともに落ち着いていきますが、薬剤への過敏反応が強い場合は、痛みが強く出ることがあります。
完全に細菌を取り除けない
根管内の感染した細菌をしっかり除去することが根管治療の目的ですが、根管の形が複雑だったり細すぎたりする場合、完全に細菌を取り除けないことがあります。
もし感染が少しでも残ってしまうと、治療後に炎症や痛みが続くことがあります。
この痛みは数週間から数カ月続くこともあり、感染が広がると再治療が必要になることもあります。
歯根の周りの骨や歯肉へのダメージ
治療中に器具が歯根周辺の骨や歯肉にわずかに触れることがあると、それがダメージとなり、治療後に痛みとして感じることがあります。
根管治療は狭い空間で行われる精密な処置なので、治療中の小さな摩擦や圧力が周囲組織に影響を及ぼすことがあります。
この痛みも多くは時間とともに改善します。
噛み合わせの調整不足
治療後の詰め物や仮封材が原因で、噛み合わせが少し高くなってしまうと、歯に余分な圧力がかかり、痛みや違和感を感じることがあります。
噛み合わせが適切でないと、歯根や周囲組織に余計な負担がかかり、持続的な痛みや圧迫感につながることがあります。
治療後に違和感がある場合は、噛み合わせを確認してもらうことで改善されるケースが多いです。
根管治療後のフレアーアップ(急性症状の再発)
治療後に突然痛みや腫れが生じる「フレアーアップ」と呼ばれる症状が現れることがあります。
フレアーアップの原因は、治療中に取り除いた細菌や組織が周囲の組織に刺激を与えたことによる免疫反応や、根管内の細菌が再び活性化してしまうことにあります。
この場合、患部に強い痛みや腫れが見られることがあり、処置が必要になる場合もあります。
痛みが出た場合の対策
根管治療後の痛みが不安である場合、いくつかの対処法やケア方法があります。
以下はご自宅でできる対策をご紹介しますが、根管治療後の痛みが一向に改善しない場合や、痛みが悪化してきた場合には、再度歯科医院にご相談いただくことが大切です。
目安として、1週間以上痛みが続くようでしたら、歯科医院に相談するようにしましょう。
痛み止めの服用
根管治療後の痛みが我慢できない場合は、歯科医の指示に従って市販の鎮痛薬を服用することが一般的です。
通常、1~2日程度で痛みは軽減しますが、薬の服用を続けて痛みが軽減されない場合には、歯科医院にご相談ください。
患部を冷やす
炎症が原因の痛みであれば、患部を冷やすと痛みが和らぐ場合があります。
冷たいタオルやアイスパックを使用して、外側から頬を軽く冷やしましょう。
ただし、過度に冷やしすぎないようにし、1回につき数分程度の冷却をおすすめします。
柔らかい食べ物を摂取する
根管治療後は、噛むことで痛みが生じやすくなります。
治療後数日は、柔らかい食べ物を摂ることで、噛む力が患部に加わることを減らし、痛みを和らげる効果が期待できます。
反対側で噛むなどの工夫も有効です。
適度な安静を保つ
根管治療後の痛みや違和感を感じる場合、患部の安静も効果的です。
過度に口を開けたり、患部に圧力をかけたりすることを避けて過ごしましょう。
根管治療後の痛みを防ぐためにできること
根管治療後の痛みやフレアーアップ(治療後に生じる急激な痛みや腫れ)を防ぐためには、治療の前に「どのような機材や方法で治療が行われるか」を確認しておくことが非常に大切です。
特に、根管治療は専門性が高いため、医院選びによって治療の成功率が大きく変わってきます。
以下では、根管治療を安心して受けるために確認すべきポイントと、当院での取り組みをご紹介します。
歯科用CTによる事前診断
歯の内部構造や根管の複雑な形状を正確に把握するために、当院では歯科用CTを活用しています。
従来のレントゲン画像では平面的にしか見えなかった根管や周囲組織を、CTでは立体的に確認することができます。
特に、曲がった根管や感染の進行具合、歯根の破折など、治療前に見逃しやすい問題を事前に発見することが可能です。
正確な診断により、無駄のない治療計画を立てることができるため、術後のトラブルを最小限に抑えることが期待されます。
マイクロスコープを使った精密治療
根管治療では、根管内部の汚染や細菌を完全に除去することが成功の鍵です。
当院では、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使用して治療を行っています。
マイクロスコープにより、肉眼では確認できない細かな根管の構造や問題箇所を拡大視野で観察し、精密な処置を行うことが可能です。
特に、細い根管や分岐している根管の治療精度を大幅に向上させ、再感染のリスクを抑えることに役立ちます。
ラバーダム防湿の使用
根管治療の精度を高めるために「ラバーダム防湿」の使用は欠かせません。
ラバーダムとは、ゴム製のシートで治療する歯だけを覆う方法で、唾液の侵入や治療中の感染リスクを防ぎます。
唾液が根管に入り込むと、細菌が侵入し、術後の痛みや炎症、再感染のリスクが高まります。
ラバーダムの使用は、歯科医療の基本技術として世界中で推奨されていますが、すべての医院で使用しているわけではありません。
治療前に「ラバーダムを使用しているかどうか」を確認することで、治療の質や安全性を確保しやすくなります。
ニッケルチタンファイルの使用
根管治療では、根管内部を清掃するために「ファイル」と呼ばれる器具を使用します。
中でも「ニッケルチタンファイル」は非常に柔軟で、複雑な根管の形状にも対応しやすいことが特徴です。
従来のファイルよりも奥まで入り込みやすく、効率的かつ精密に根管内を清掃できるため、感染リスクを最小限に抑えられます。
ニッケルチタンファイルを使用しているかどうかは、治療の精度を左右する重要なポイントですので、医院選びの際にぜひ確認してみてください。
MTAセメントによる充填
根管治療後の空洞には、根尖部から細菌の再感染を防ぐために「充填材」を入れる必要があります。
MTAセメント(Mineral Trioxide Aggregate)は、生体適合性が高く、炎症の抑制や組織の回復に優れた効果を持つため、長期的な安定性を確保できます。
MTAセメントを用いることで、治療後の痛みやフレアーアップの発生リスクを大幅に低減することが期待されます。
当院でのセカンドオピニオンのご案内
当院では、根管治療後に発生しやすい痛みやフレアーアップを防ぐためのセカンドオピニオンを承っています。
根管治療は、複雑な処置であると同時に、医院によって使用する機材や治療方針が異なることもあります。
そのため、「現在の治療に不安がある」「他の歯科医院での治療計画に納得できない」といった方は、セカンドオピニオンをおススメします。
当院では、歯科用CTを使った精密な検査や、ラバーダム、ニッケルチタンファイル、MTAセメントの使用など、治療後のトラブルを最小限に抑えるための設備と技術を駆使しています。
患者さまの安心と快適を第一に考え、丁寧なカウンセリングを行っていますので、どんな小さな疑問でもお気軽にご相談ください。
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