なぜ虫歯になるのか
私が初診の患者様に必ずする質問
『どうして虫歯になるのか正確に知っていますか?』
皆さんの答えは『NO です』
何か重大な問題を解決するには現状に対応することも必要ですが、再発防止には原因の究明とその除去が不可欠です。
虫歯で言うと、現状が歯に穴が空いていることで、対処は治療です。
残念ながらほとんどの皆様はここで終了してしまいます。原因を除去する大切なステップが抜け落ちているので、再発を繰り返すことで神経を失い、最後には歯を失います。
原因を除去するには『どうして虫歯になるのか』を正確に知ることが大切です。勘違いしている方が多いですが、虫歯はブラッシングだけでは予防出来ない疾患です。
虫歯とは細菌が出す酸により、歯から徐々にミネラル成分が溶け出して行く疾患です。
永久歯の虫歯は少しずつ進行るので、いわゆる『虫歯』として目に見える大きさになるには半年から一年かかります。虫歯の原因菌とされる細菌類は生息に必要な食べ物(エネルギー源)が糖質です。
この糖質をエネルギーとして代謝した結果排出されるのが酸です。石油を燃やすと二酸化炭素が排出されるのと同じです。虫歯菌は飲食後数分で酸を作り出しますが、お口の中には唾液による緩衝作用と言う、酸から歯を守る仕組みも備わっています。お口の中が酸性に傾いても唾液の働きで約1時間ほどで酸は中和されます。
お口の中が酸性に傾くと一時的に歯からミネラルが唾液中に溶け出し、ミクロの世界では一旦虫歯になります(脱灰)ところが唾液の作用で酸が中和されてくると、ミネラルが再び歯に戻り虫歯が修復されます(再石灰化) お口の中では飲食の度にこれが繰り返されています。
出て行くミネラルの量と戻る量が同じであれば虫歯は進行しませんが、飲食回数や糖分の摂取量が多いと、失われて行く量が過剰になり、徐々に歯からミネラルが失われ虫歯として進行します。
唾液の大切さ、ご理解いただけましたか?
この様に、食べ物の質、間食の頻度、そして唾液をいかに出すかが虫歯予防のキーポイントなのです
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