噛み方を見直してみませんか
皆さん健康のために『よく噛んで食べましょう!』という言葉を耳にしたことがあるかと思います。
しかし、この『よく』と言う言葉を力を『強くしっかり噛む』と誤解してしまう事で、日常的に歯や顎に過剰な力がかかり、関節を痛めたり歯やセラミックがかけてしまうなどのトラブルを抱えてしまう患者様が非常に多く見受けられます。
咀嚼運動を科学的に捉えると正しくは『しっかり開けて食べましょう!』なのです。
私はいつも患者さんに『食べることはしっかり開けることです!』と指導しています。
咀嚼のスタートは意識的ですが、その継続は脳に記憶された反射と、舌や歯、頬や口唇からの情報のフィードバックを元に行われる運動です。
咀嚼のサイクルにはリズムがあり、脳幹のセントラルパターンジェネレーター(CPG)から発せられる信号により顎や舌、頬、口唇の筋肉がそれぞれ異なるリズムでコントロールされていて、体の動きの中で最も高度で複雑な運動です。
ですから、一旦スタートしたら意識的によく噛もうとするとする必要はなく、力を入れずにお口を開ける開口のリズムだけを意識することで、食べ物の状態の情報をフィードバックを受けながら、舌や頬の内側を噛む事なく、自然に正しい咀嚼ができるはずなのです。
食べ物をお口に入れたら、唇を閉じたままでお口の中の空間を大きく広げる事を意識すると、お口を閉じる反射が自然にスタートし、リズムを持った一連の咀嚼運動が自動的に継続します。
お口の中の空間が広く使われることで、唾液と食べ物が十分に混ざり、嚥下可能な食塊へと効率的に変化して行きます。
そもそも。消化吸収はリラックス神経である自律神経の副交感神経にコントロールされています。
『噛むこと』を意識し過ぎて一生懸命噛もうと力を入れてしまうと、交感神経が優位になりその後の消化吸収さえもスムーズに行われなくなってしまいます。
あたかも歯で食べ物を攻撃するような交感神経緊張型の食べ方を見直し、噛むことでなくお口の中の空間を広げることを意識し、リラックスしてゆっくりと味わいながら食事をすることが健康の秘訣です。
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